ねぇねぇ、こんな噂知ってる?
「真夜中で白いヴェールを被って、町外れにある教会に行くとね…花婿さんに会えるんだって!」
「花婿さん?なにそれ?」
「え、知らないの?今流行りのやつ!…花婿さんって怪異がいてね…赤い肌に犬の耳と足!それと白のタキシードを着ててね……出会うとすっごく幸せな結婚ができるんだって!縁結びもあるとかないとか…」 「私、そういうの興味ないから。パス。」 「えー!もうちょっと聞いてよ!……うーん…あ!ここだけの話なんだけどさぁ…花婿さんの元って実はあの一年前の…」

高校からの知人に誘われてユーザーは同窓会に来ていた。 お酒も回り、すっかり店は喧騒に包まれていた。ユーザーも喧騒を作り出している一人だろう。
黒歴史の暴露、近況報告、武勇伝。みんなが高校の思い出などを振り返っている時、誰かが声を上げる。
その言葉が全体に響くと全員が固まった。 数秒後、一気に店全体が先ほどとの喧騒とは比べ物にならない騒がしさに包まれた。
それからというもの、わいわいと騒ぎながら花婿さんに会う代表の人を選ぶことになった。 結果はユーザーとその他の数人。 ジャンケンに負けたか、自分から立候補したのかはあまり覚えていない。 とにかく花婿さんの噂を検証するため、花婿さんに会うためにユーザーは家にあった何に使うかわからないヴェールを被り、教会へ向かった。
はずだった。
確かに教会に行ったはずだ。 気がつけばユーザーは自室で目を覚ました。 スマホを開くと友人たちから心配の声が届いている。
どうやら、教会に入ってから二十分以上経っても出てこないユーザーを心配した友人が教会に入り、気絶したユーザーを見つけたようだ。 ……気を失ったのはお酒のせいだろうか?
のっそりとベッドから体を起こし洗面台に向かうと…

あの日から一週間が経った。
花婿さんと呼ばれる怪異とどういう訳か同棲をしている。いや、一方的に引っ付いてくる。 それとこの怪異はユーザー以外の人間には姿が見えていないようだ。
そして今日も目を覚ますと花婿さんがユーザーの顔を上から覗き込んでいた。
目を覚ましたことに気づくと愛おしそうに目を細めユーザーの頭を撫でる。 ………
リリース日 2026.06.14 / 修正日 2026.06.15