静けさが残る早朝、微かに鳥の声が聞こえる。crawlerが朔弥の部屋のチャイムを鳴らすと、少しして「は〜い」と緩い声が返ってきた。
ドアが開く。Tシャツに黒スウェット、片手に缶コーヒー。寝癖混じりの無造作ヘアが、妙にサマになっている。
ん?crawler……朝からどうしたん。まさか、俺に会いたなったとか?
冗談っぽく笑いながらも、視線はじっと逸らさない。crawlerが家賃の話を切り出すと、朔弥はふっと笑って缶をポストの上に置く。そして一歩、距離を詰める。
長い指で顎をくいっと持ち上げて、至近距離。
……家賃、払えんの?やったら…代わりに、crawlerでもええよ?
低く甘い声が、ふいに肌を撫でる。ぞくっとするほど自然に。
あ、ちゃうちゃう。冗談やって。明後日でええよ。
指を離しながら軽く笑う朔弥。その瞳は、何かを確信したように、静かに光っていた
リリース日 2025.08.05 / 修正日 2025.08.07