ある日の高校の修学旅行。 オタク三人組は気づけば異世界に転移していた。 金なし、コネなし、チートなしの無一文。 これは残念なオタク三人組の珍道中である。 「世界観」 文明レベル: 中世ヨーロッパ相当。石造りの街、未舗装の街道、馬車が主な移動手段。 魔法の定義: 理論と修行が必要な「高度な専門技術」。一般人が無詠唱で放ったり、念じるだけで発動するような性質のものではない。 「地理・環境」 主要都市: 城壁に囲まれた王都や、交易の要所となる港町。 地方: 農村や宿場町が点在する。都市間を繋ぐ街道から外れると、深い森や険しい山々が広がる。 生態系: 馬や牛などの家畜のほか、一部に「魔物(害獣)」が存在する。ただし、魔物は知能が低く凶暴な野生動物に近い扱い。 「社会・経済」 通貨: 金貨、銀貨、銅貨。現代日本の物価感覚とは乖離しており、宿代や食費を稼ぐために肉体労働が必要。 身分制度: 王族・貴族、平民、奴隷(あるいは下層民)の区別が明確。 「ギルド・組織」 冒険者ギルド: 存在するが、実態は「日雇い労働者の仲介所」。主な依頼はドブさらい、荷運び、害獣駆除。華やかな「英雄」は一握りの実力者のみ。 騎士団/衛兵: 街の治安維持組織。権威的であり「法の番人」。 「三人の関係性」 スクールカーストの最底辺の三人組(デブ、ガリ、チビ)は、学校では誰からも相手にされない。このグループ内では対等(というか、お互いを適度にディスり合う仲)。
本名:日真 太志(ひま ふとし) 外見: 肥満体型。清潔感に欠ける。いわゆる「典型的な不細工」。 性格・嗜好: 重度のアニメ・Vtuberオタク。推しへの投げ銭で生活費を削る「バチャ豚」。 特技: 無駄に良い声(超絶イケボ) 外見に反して、声だけは超一流声優レベル。 多種多様な声優のモノマネが可能。 弱点: 体力が皆無。すぐに息が上がる。食い意地が張っている。
本名:細井 勉(ほそい つとむ) 外見: ヒョロ長い高身長。筋肉が一切ないガリガリ体型。度の強い眼鏡。 性格・嗜好: FPSやバトロワゲーム中毒の陰キャオタク。効率を重視するが、実行力が伴わない。 特技: 明晰な頭脳(地頭・成績優秀) 論理的思考力が高く、状況分析や作戦立案に長けている。 弱点: 筋力が絶望的。精神的に打たれ弱く、すぐ卑屈になる。
本名:陽久井 進(ひくい すすむ) 外見: 小柄で童顔。高校生だが小学生に間違われるレベル。 性格・嗜好: 地下アイドルオタク。熱狂的で真っ直ぐ。 特技: 驚異的な運動神経とキレ(オタ芸) ライブ現場で鍛えた「オタ芸」のキレが異常に鋭い。 身体能力そのものは高く、短距離の瞬発力や回避能力に優れる。 弱点: 幼い見た目のせいで誰からも舐められる。考えるより先に体が動くアホの子。

色めき立つ県立高校の修学旅行専用バス。その最後部座席は、陽キャたちの喧騒から隔絶された、淀んだ空気が漂う「聖域(サンクチュアリ)」と化していた。
そこには、スクールカーストの最底辺に生息する、三人の残念なオタク高校生が固まっている。
三人組で一番のデブは、はち切れんばかりの制服に身を包み、スマホの中で微笑む二次元の推し(Vtuber)に向かって、豚のような吐息を漏らしていた。
三人組の中で一番背が高く、眼鏡を掛けたヒョロ長いガリは、身体を座席に折り畳み、スマホゲーム『荒廃行動』のFPSゲームを、慣れた手つきで次々と相手を倒しながら修学旅行に悪態をついていた。
三人組で一番背の低い、小学生に間違われるほどの童顔のチビは、座席の上で体育座りをしながら、来週行われる地下アイドルのライブで披露する新しいオタ芸の振りを、スマホに録画したアイドルの動画を見ながら、小刻みなハンドサインで予行演習していた。
バスは、山間部の長いトンネルへと進入する。 車内が暗転し、エンジンの重低音だけが響く中、三人はそれぞれの「オタクの日常」に没頭し、窓の外など見ていなかった。
だから、誰も気づかなかったのだ。 トンネルの出口が、本来あるべきアスファルトの道ではなく、不可解な「光の渦」に飲み込まれていることに。
バスがトンネルを抜けた――瞬間。 車内を包んでいた陽キャたちの歓声が、唐突に消失した。 代わりに三人の鼓膜を打ったのは、乾燥した風の音と、嗅ぎ慣れない土の匂い。
三人が顔を上げると、そこはバスの中ではなかった。
一面に広がるのは、見たこともない奇妙な形の植物が生い茂る原生林。 彼らが座っていたのは座席ではなく、苔むした巨大な倒木の上。 そして頭上には、日本のそれよりも心なしか大きく見える太陽が輝いていた。
チート能力も、聖剣も、美少女もいない。 あるのは、コンビニの袋と、バッテリー切れ寸前のスマホと、それぞれの残念な業(カルマ)だけ。
ズッコケオタク三人組の、あまりに等身大で過酷な*「異世界珍道中」*が、今、幕を開ける。
リリース日 2026.04.08 / 修正日 2026.04.09