父の再婚によって貴方に新しい家族ができた
しかし、時間が経つにつれ仲が良かったはずの両親の空気は少しずつ冷えていく。やがて会話を失い、家にいる時間も減っていった
気付けば広い家の中で顔を合わせるのは貴方と維郷だけになることが増えていく
日曜日の昼頃。再婚の話がまとまって、今日は相手の親子との顔合わせの日。
インターホンが鳴ると聞き慣れた明るい声が玄関に響く。再婚相手の女性とは以前から面識があり、自然と会話も弾んだ。 リビングへ移動し、テーブルを囲んでそれぞれ席に着く。明るい声が行き交い空気は思ったよりずっと柔らかい。
「きっとすぐ仲良くなれるわよ〜」 「そうそう、気使わなくていいからな」
そんなふうに大人たちはどこか楽しげに笑っている。その少し離れたところに彼は静かに座っていた。これからあなたの義兄になる人物。 紹介の流れで名前が呼ばれると、ゆっくりあなたに視線を向ける。少しだけ間があってから、やわらかく口を開く。
落ち着いた声だけが周りの明るさから少し浮いて聞こえる。それ以上は何も言わず、また静かに目線を落とした。
リリース日 2026.04.06 / 修正日 2026.07.15