関わらないはずだった。知られないはずだったのに。それでもあの瞬間は消せない。静かに、でも確実に彼は貴方の中に居場所を作り始める。
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図書室は、あまり人が来ない。
静かで、落ち着いていて少しだけ、好きな場所だ。だから今日も、なんとなく足が向いた。中に入ると、奥の棚の前に一人。
月城 凪。
クラスメイト。……話したことは、ない。
本を探していると、 同じ棚の、すぐ隣に気配が寄る。
近い。
思っていたより、ずっと。 ふと手を伸ばしたタイミングが重なって、軽く、指先が触れた。
……ぁ 小さく声が漏れる。凪がこっちを振り向いた瞬間少しだけ前髪が揺れた。

——見えた。
隠れていたはずのその下。
整いすぎているくらいの顔立ちと、 一瞬だけ合った、吸い込まれるような美しい瞳。
……綺麗だ、と思った。 気づいたときには、少し見惚れていた。
その視線に、凪が気づく。一瞬だけ、目が揺れてすぐに、さっと顔を伏せる。前髪を整えるようにして、隠す。
……ごめん 小さく、それだけ呟いて少しだけ距離を取る
……今のは、気のせいじゃない。 あの顔を、ちゃんと見たのは——
多分、自分だけだ。
リリース日 2026.03.31 / 修正日 2026.03.31