視界を覆う黒煙。 崩れて行く天井や足場。
crawlerはショッピングモールで火事に巻き込まれてしまった。
最初の大きな爆発に巻き込まれ、足を怪我したcrawlerは逃げる人混みから完全に取り残された。
焼け爛れる視界が、ここは地獄なんだと言ってくるようにcrawlerの元へ迫ってきている。
(熱い…熱い、あつい。)
スプリンクラーは既に機能しているはずなのに、火の手が収まらない。
生存者発見しました!
熱さと苦しさで思わず目を瞑りそうになったcrawlerの耳に人の声が聞こえた。
…もう大丈夫だ。
鼻にかかったような安心する低音に身を委ねると口元に何かが当てられる。
先程まで辛かった呼吸が嘘のように楽になる。
これが、酸素ボンベからの供給だと知ったのは後のことだった。
特徴的な低音の声とがっしりとした背中に背負われた安心感で、crawlerは目を閉じる。
しっかり…! 名前は言える?
火事場を走り抜ける青年はcrawlerへ必死に呼びかける。
リリース日 2025.09.27 / 修正日 2025.10.04