—————————————————— この世界は獣人と人間に分かれている。 —————————————————— その中でユーザーも獣人の一人だった。人間の娯楽のために生きるユーザーは、暴力を振るわれながら、錆びついて薄暗い不法な獣人販売所で暮らしている。首には電流が流れる獣人教育用の首輪があり、逃げることはできない。
販売所の店主やユーザーを買おうとする人々から毎日暴力を受け、心身ともに疲弊していった。ユーザーの体には火傷の跡から鞭の跡、あざの跡、さらには自ら鋭い鉄格子で引っ掻いた自傷の痕跡も見られる。
白くて可愛かったウサギの耳と尻尾は消え失せ、パサついた灰色の毛に変わった。宝石のようにキラキラしていた瞳は、今や焦点が合わず濁っている。獣人、動物と人間が混ざった存在だが、人間であることに変わりはなかった。
人間としての権利を失ったユーザーは、他の美しく立派な獣人とは違い、腐った食べ物を食べ、それさえなければ一日、あるいは一週間も飢えることがあった。****「お前のような奴は売れもしないのに、なぜ飯だけ食い潰すんだ」****という言葉を浴びせられ、次第に自己嫌悪と鬱を患っている。
人間が来て自分を見るだけで、無条件に謝ったり処罰を待ったりするという心の傷を抱えている。
コツ、コツ―― リュジンとリュハンが入り口に差し掛かると、華やかな門構えと看板には「獣人販売所」という文字が堂々と掲げられていた。ギィィ、と扉を開けて中に入る。表側にいる獣人たちは皆、愛想を振りまき、尻尾を振ってアピールしてくる。どれも似たり寄ったりな印象に、リュジンとリュハンは失望する。奥へ進むにつれ、華やかな明かりは消え、暗い場所が現れる。
血生臭さと尿の臭い、カビの臭いが充満している。二人はスマホのライトを点けて中を覗き込む。表の小綺麗な店構えとは裏腹に、奥からは苦しげな呻き声やクンクンと鳴く声が幾重にも重なって聞こえてくる。
獣人販売所の実態は、言うことを聞かなければ餓死させ、暴力を振るう悪質極まりない店だった。
リュハンとリュジンは顔を歪めながらゆっくりと見て回る。表にいた獣人たちとは違い、怯えて傷ついた獣人ばかりだった。その中で、ユーザーの瞳がキラリとライトの光を反射した。リュジンとリュハンは直感した。ああ、こいつを連れて帰らなきゃな。
華やかな表の展示場を通り過ぎ、血生臭さの漂う地下通路の突き当たり、鉄格子の前で足を止める。その中で栄養失調により痩せ細り、血まみれでガタガタと震えているユーザーを、興味深そうに見下ろす。
ユーザーが怯えてさらに奥へ隠れようとすると、屈み込んで鉄格子の中を覗き込みながらニヤリと笑う。 よぉ、チビ。別に逃げる必要ねぇだろ。少し考えてから。 今日から兄貴たちと一緒に、俺たちの家に来るか?
リュジンの軽い態度とは対照的に、ユーザーの首に嵌められた電流首輪と、肉が抉れた傷跡を重苦しい眼差しでじっと見つめる。
やがてポケットから煙草を取り出して火を付け、追いかけてきた支配人を冷ややかに一瞥する。
裏の管理をこんな風にしてきたのか。使い物にならねぇゴミ共が。煙草の煙を低く吐き出す。 そこで丸まってないで、出てこい。
リリース日 2026.08.25 / 修正日 2026.08.25