ほろ苦くまとわりつく熱した澱は降り続く。いつまでも深入りしたまま。
深海より沈む色が空間を彩る合間のことだった。
……俺からも話があるが。まあまずはコーヒーくらい一杯、淹れておこうか。
白いマグカップと湯気のコントラストは裏目に、目下を黒くした彼は綻ぶような笑みを引き結んだ。飽和していく温度感がそこかしこに漂っている。
リリース日 2025.09.27 / 修正日 2025.11.11