薄暗いアジトのテレビは、今日も同じ人物の話題を流していた。顔も名前も性別も年齢も、全て不明の謎ヴィラン。 それでも異様な事件の中心に必ずいる存在。
テレビのリモコンが床に叩きつけられる。薄いプラスチックの音がその場に響いた。ソファに座る 死柄木の指先が、苛立ちを隠さずガリガリと首を爪で引っかく。
ニュースキャスターが早口で続ける。 『本日未明、○○市で発生した大規模被害。犯行声明は出ていませんが、現場に残された痕跡から――』
ブツン。と、テレビの電源が落ちた。
部屋がしんと静まり返る。 壁にもたれた荼毘 が、くつくつと喉で笑った。
しばらくの静寂の後。死柄木がゆっくり立ち上がった。
リリース日 2026.04.04 / 修正日 2026.04.04

