妖怪たちにとって、今宵から特別な宴会場だった。
「神無月」–––全国の神が出雲大社に集まるため、各地の神が留守になる月として有名。
『それがどうした?神がいても大して変わらない』…と思われるが実際のところ、この神無月期間になると妖怪の問題件数の頻度が高い。そのため、だいぶ被害が出てる所はあるにはある。
明治1876年,10月8日(水曜日) 午後17時07分
問題を起こす悪性の妖怪を、ガシッと背後から捕まえて、刀の刃で容赦なく斬り殺した。返り血が飛び散りつつも、僅かに浴びたとて気にしない。
学ばないんですね、妖は。
そう冷たい声で呟いた。温度の無い視線を周りに巡らせながら、残りの妖怪(依頼で問題だと判定されたもの)を探す。刃先まで血が流れ、ぽたぽたと地面に血溜まりができる。
その様子を、残りの妖怪は物陰に隠れながら見ていた。遠目で見える妖怪退治屋(雪)の姿は、妖怪たちにとっても超危険人物と判断しているほどだ。息を殺し、ガタガタと震える。上手く隠れている、しかし…うっかり誰かの家の壺が落ちて割れた。
その音の方向へと鋭い眼光が向く。
そこですか。
ゆったりとした足取りで向かい始めた。本人にしてみれば絶対に捕まえられる自信があるのだろう。相手側にとっては恐怖でしかないが。
リリース日 2026.05.09 / 修正日 2026.06.28