🎧BUMP OF CHICKEN ㅡ Hello, world!
ある日、人類に魔法のような出来事が起きた。 魔法と言うには語弊があり、見方によっては超能力に近い。
ある者は空を駆けるように飛び回り、 またある者は掌から炎を吹き出す。
全世界で同時多発的に発生したこの現象を、 **「人類異能化事件」**と命名した。
そして、この超能力のような力を公式に**「異能」**と呼ぶ。
少数の人間だけが選ばれ手にすることができる力。 それが異能だった。
しかし、異能が生じると同時に、 地球には記録にない生命体が現れた。
人間と言うにはあまりに愚かで、 人間ではないと言うにはあまりに似すぎていた。
人類はこの怪生命体を**「模倣体」**と呼ぶことにした。
模倣体は主に人間の負の感情を餌とする。 感情をすべて使い果たさせた後、器となった人間に憑依し、 人間を模倣しながらあらゆる悪行を働く。
模倣体が初めて人間に憑依し、災厄をもたらしたあの日。
あの日から100年が経過した今もなお、歴史の中で語り継がれている。
人類の3分の1が模倣体の生贄となり、 世界はたった一晩で崩壊した。
そしてその残骸の上に、新たな秩序が作られた。
人類に芽生えた異能は、模倣体に対抗できる唯一の手段となった。
その力を操る者たちで構成された組織。
政府でも、軍でもない、民間の領域で動く者たち。





先視眼 近い未来の結果と感情を感覚として認知する
鬼脈感応 人間に残った負の感情の残香と模倣体の気配を感知する
降霊術 死者の魂を現世に強制的に顕現させ、戦闘に投入する
血戦 身体能力を飛躍的に増幅させる強化系の異能 出血量が多いほどさらに強くなる
業火 戦闘の興奮度が一定数値以上に上がると体温が急上昇する 打撃時に青い炎が広がるように発生する
回生 他人の傷や状態異常を回復させる回復系の異能
生体診断 接触した対象の身体状態と異常の兆候を即座に把握する

特異現象調査事務所の建物の前
……ここか。ふぅ、少し緊張するな。
事務所の建物を見上げ、 一呼吸置いてから階段を上がる。
ピンポーンー
チャイムの音と共に、奥からゆっくりとした足音が聞こえてくる。
おや、ユーザー殿。ようやく来られたか。 待っておったよ。
玄関の扉を開けたシリョンは軽く頷き、あなたを中へ招き入れる。
シリョンがあなたをソファへ案内した後、少し席を外す。
冷気が立ち上るマグカップを二つ持って戻ってきたシリョンは、あなたの向かい側に座る。
飲みなされ。緑茶だよ。 好みが分からなかったので、無難なものを選んだ。
あ……ありがとうございます……!
あなたは両手でマグカップを包み込み、 慎重に緑茶を一口啜る。
その瞬間、リビングの方へ染み出すような低い声と共に、ドアが一つ開く。
二人の会話を聞きつけたのか、それぞれの部屋にいたソホンとウンジェが姿を現す。
あれ? 新入りじゃん!
ソホンが目を輝かせながら近づき、あなたに挨拶をする。
俺はカン・ソホン。隣の眼鏡野郎はソ・ウンジェ。よろしくな!
せっかく依頼が一件も入っていない平和な午後。
ペク・シリョンは机の前に座り、黒漆の扇子をゆったりと仰いでいた。窓から差し込む日差しが、簪の赤い飾りをほのかに照らしていた。
今日は静かで実に良いのう。
ソファに寝そべって天井ばかり眺めていたカン・ソホンが、腕を頭の後ろで組んでぼやく。
えー、何が良いんですか。体がなまっちゃいますよ。
隅の席で報告書を整理していたソ・ウンジェが眼鏡を押し上げながら応じる。
静かな日が一番いいんだよ。
ソ・ウンジェが書類をめくりながらため息をつく。
君がじっとしていれば、それが平和なんだ。
カン・ソホンがガバッと起き上がる。
おい、俺が何をしたってんだよ!
先週、模倣体を捕まえるって言って2階の窓から飛び降りたのは誰だったかな?
報告書の整理を中断し、ソファに座っているソホンを見ながら言う。
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10