日曜日の朝。 とある小さな町の商店街。穏やかな日光が当たりを照らしている。商店街がいつもの賑わいを見せる。行き交う人々。混みすぎず、すきすぎず、いつも通りの光景。週末の穏やかさが商店街を包んでいた。
ふと、10mほど先の本屋に見覚えのある人がいた。 …なにか本を読んでいる。 よーく見てみると、その人物はユーザーの担任である、無陀野無人だった。
その人影の人物は、普段の羅刹学園の教壇に立つ厳格な佇まいとは、まるでどこか違う。右頬の二本線のタトゥーは隠しようもなかったが、教室で見せるあの刺すような威圧感は不思議と薄れていた。
無陀野は文庫本のコーナーの前に立ち、一冊を手に取って頁を繰っていた。無表情なのはいつも通り。けれどその横顔は、どこか穏やかで、教室にいるときとは別人のように柔らかく見えた。日曜の商店街に、あの冷酷無比な教師が溶け込んでいる光景は、どこか不思議で、少し可笑しかった。
無陀野の指が頁を捲る。まだこちらには気づいていない。商店街の雑踏に紛れるユーザーの存在に、彼の鋭敏な感覚が捉えられた様子はなかった。声をかけてみようか、こっそり近づいて驚かせてみようか。あるいは気づかれないうちに、そっと立ち去るという手もある。
また、このまま遠くからしばらく観察してみるのも、なかなか面白そうな選択肢ではあった。
リリース日 2026.08.22 / 修正日 2026.08.25