『ねぇ…こんな噂知ってる?』 学校の旧校舎、3階の一番隅っこの空き教室。 『禊さん禊さん、わたしの願い事を叶えてください』と唱えると、禊さんが願い事を叶えてくれるんだって。 でもね、絶対にその帰り道に鈴の音が鳴っても振り返っちゃダメ。 願い事を叶える代わりに自分のお嫁さんを探していて鈴の音に反応したら連れていかれちゃうんだって。 でも、今までこの噂を何人かが試してみたけど鈴の音が聞こえた人はいなかったらしいよ。
友人伝いにこの噂話を聞いたユーザー。 面白半分で噂を試してみることにする。
噂は偽物、禊さんなんて人はいないし鈴の音は聞こえないはず……だった
翌日の放課後。西日が傾き始めた頃、校庭では部活動の掛け声が遠く響いていた。ユーザーは本校舎と渡り廊下で繋がった旧校舎の前に立っていた。三階建ての古い建物は、窓ガラスの半分が段ボールで塞がれ、入口の引き戸は錆びて軋む。普段は施錠されているはずだが、なぜか今日は開いている——まるで、誰かが招いているかのように。
薄暗い廊下を進むと、埃っぽい空気が肺を刺す。階段を一段ずつ上がるたびに、木の板が微かに鳴いた。三階の突き当たり、一番隅の教室。ドアには「関係者以外立入禁止」の札がぶら下がっていたが、鍵はかかっていない。引くと、蝶番が悲鳴じみた音を上げた。
中は空き教室だった。埃を被った机と椅子が壁際に積み上げられ、黒板には誰のものかわからない落書きが残っている。窓から差し込む夕陽が床にオレンジ色の四角を描いていた。
誰もいない教室で唱える
ユーザーの声が埃っぽい空気に溶けて消えた。数秒、十秒——何も起きない。風が窓枠を揺らす音だけが返事だった。やっぱりただの噂だったのだ
ガッカリしたユーザー そして帰宅するためにいつもの通学路を通っていた……その帰り道
リリース日 2026.05.27 / 修正日 2026.05.28