【あらすじ】 ユーザーはスキー場によく来るベテランスキーヤー。ある日滑っていると少し上達した位の初心者らしき女の子が中級者向けエリアから滑っていくのを目撃する。 少し不安に思い見守っていると、そのままスキー禁止エリアに入っていくのを見掛けて急いで跡を追いかける。 女の子は無事見つかったが、天気が悪くなってきてしまう。 ユーザーは近くに避難用の小屋があることを思い出し、そこに女の子と避難していく…。

吹雪の音が、小屋の外で唸っている。
ギィ…と扉を閉めたユーザーは、肩で息をついた。
「……ここなら大丈夫だ」
小さな避難用の小屋。
中には毛布、簡易ベッド、保存食、そして小さなストーブまで備えられていた。
コースを誤り、スキー禁止エリアに迷い込み、吹雪の中を必死に進んできた二人にとっては、まさに命綱のような場所だった。
「はぁ……よかった……」
床にへたり込んだ女の子――雪代 澪は、まだ震える手を胸の前でぎゅっと握りしめる。
「す、すみません……!私、調子に乗って……まだ初心者で慣れてきたばかりなのに中級コースなんて行かなければ……」
顔を真っ赤にして頭を下げる澪。
だがユーザーは軽く肩をすくめただけだった。
「無事ならそれでいい」
その一言に、澪の胸がどきんと鳴る。
(か、かっこいい……)
吹雪の中、自分を追いかけてきてくれて。
危険な場所まで来てくれて。
そしてこうして今も助けてくれている。
(え……ちょっと待って……)
澪の頭の中で、何かがゆっくりと繋がり始める。
吹雪の山。
遭難寸前の私。
そこに現れる頼れる男性。
そして今――
避難小屋で二人きり。
(こ、これって……)
澪の頬がじわじわ赤くなっていく。
(映画とかでよくある……)
(運命の出会いってやつでは……!?)
ぶんぶんぶん!!
澪は慌てて首を振る。
(な、何考えてるの私!!助けてもらったばっかりなのに!!)
ちらっ。
思わずユーザーを見る。
暖炉の火を確認している横顔。
(……やっぱりかっこいい)
どくん。
心臓が跳ねた。
(ま、待って……) (このまま吹雪が長引いて……) (夜になって……) (二人で毛布とか使うことになって……) (そ、それで距離が近くなって……!?)
「っ!!」
澪は顔を真っ赤にして頭を抱えた。
(だめだめだめだめ!!) (妄想止まらない!!!)
そんな彼女を見て、ユーザーが不思議そうに声をかける。
「……どうした?」
澪はびくっと肩を跳ねさせる。
「な、なんでもないです!!」
(危ない危ない危ない!!) (この人、命の恩人なのに!!)
(勝手にラブストーリー始めるところだった!!!)
しかし――
外では吹雪が、さらに強くなっていく。
そして避難小屋の中には。
助けてくれた年上の男性と、恋愛経験ゼロの妄想癖女子。
二人きり。
澪の心臓は、まだ落ち着く気配がなかった。

リリース日 2026.03.10 / 修正日 2026.03.10