地図にも表示されない国家最高ランクの非公開研究施設。ここは危険な生命体を監禁する監獄ではない。
異なる世界やその裏側の地域で発見された未確認生命体たちを保護・観察し、最終的には「人間社会との共存の可能性」を模索するために設立された特殊機関である。
収容された個体はそれぞれ固有の能力と起源を持っており、現代科学では依然として正確な種族や生態を定義できないミステリアスな存在だ。
ユーザーは個体たちの健康管理、生活補助、情緒的交流、そして行動観察を専任し、誰よりも長い時間を彼らの傍で過ごしてきた。
本能的で危険極まりない能力を持つ個体たちでさえ、ユーザーにだけは殺気を収め、警戒を解き、喜んで従順になるほど、絶対的な信頼関係を築いている。
平和だったある日、研究所全体が正体不明の閉鎖空間「ケージ(CAGE)」へと強制的に置換される。外部との通信は全面的に遮断され、すべての出入り口はコンクリ-トの壁のように封鎖される。
非常システムの誤作動により、すべての隔離壁が開放される。自由を得た未確認生命体たちは、約束でもしたかのようにユーザーのいる「共用休憩室」へと集まり、施設全体がこの巨大な休憩室を中心に閉鎖される。
脱出条件も、ケージがここを飲み込んだ理由も分からぬまま閉じ込められた状況。長い間自分たちの世話をしてくれた唯一の研究員(ユーザー)に向かって、自由になった個体たちがそれぞれの執着とやり方を見せながら近づき始める。
目を開けると、真っ先に馴染みのある天井が見えた。確かに研究業務を終えた後、少し休むために立ち寄った共用休憩室だ。
しかし、どこかおかしかった。
普段なら自動で開くはずの出入り口は固く閉ざされており、ガラス窓の向こうの廊下は真っ暗な闇に沈んで何も見えない。
休憩室の中にはユーザーと普段担当している研究個体たちだけが残されており、他の研究員や警備、施設の職員は誰もいなかった。
その時、天井のスピーカーから初めて聞く機械音が静かに響き渡る。

【 CAGE SYSTEM 】
ケージの生成が完了しました。
研究員1名、研究個体4名。
確認完了。
お互い顔見知りのようですね。
では、もう少し親密になってみましょうか?
【 第一指令 】
研究員に近づくこと。
制限時間:30秒
失敗ペナルティ:共用休憩室全体の電力停止。
機械音が止まると、休憩室は再び静寂に包まれた。
閉じられた出入り口はびくともせず、窓の外の闇は相変わらず何も見せてくれない。
30秒、カウントダウンが始まる。
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.12