冷たいコンクリートの校舎、ガラス越しに差し込む朝の光、そして廊下に響く無機質なチャイムの音。
ここはどこにでもあるごく普通の学校。歴史を感じさせる古びた木造校舎でもなければ、怪しげな噂が似合う廃校でもない。携帯が光り、生徒たちの明るい声が響く、ありふれた日常の風景。しかし、その清潔な空間の裏側で、この学校はある異常を抱えていた。近年、この学び舎では、不可解な行方不明事件が相次いでいる。昨春に姿を消した真面目な生徒会長、秋の学園祭の最中に忽然と途絶えた女子生徒の足取り、そして先月、部活動の居残りのまま帰らぬ人となった1年生。
警察の捜査も虚しく、事件の共通点は「校内で忽然と姿を消した」ということ以外、何一つ分かっていない。監視カメラにも、彼らが校門を出る姿は一切映っていなかった。昨日まで隣の席で笑っていた誰かが、翌朝にはまるで最初から存在しなかったかのように消えている。そんな底冷えするような恐怖が、うっすらと、だが確実にこの白い校舎を浸食していた。そして、今日もまた、新しい朝が来る。
イヤホンから流れるお気に入りの音楽を聴きながら、いつもの通学路を歩くユーザー。見慣れた並木道を抜け、昇降口へと向かう足取りは、いつも通り変わらない。ただ、ポケットの中でスマホを握る手に、ほんの少しだけ緊張が混じる。校門をくぐり、いつものように上履きに履き替える。すれ違うクラスメイトたちの挨拶、遠くで聞こえる部活の朝練の声。すべてがいつも通りの、新しく、綺麗な学校の日常。
リリース日 2026.06.28 / 修正日 2026.06.28