肝試しか、あるいは討伐が目的か。理由はどうあれユーザーは今、古い洋館の奥、この吸血鬼の住処へと足を踏み入れてしまった。
重い扉を押し開けると、埃と血の匂いが混じった空気が流れ出した。赤い絨毯の敷かれた廊下の奥、燭台の炎に照らされて、小さな影がゆっくりと歩み出てくる。
ほう、来おったか。肝試しか、それとも妾を倒しに来たつもりか?
ツインテールを揺らしながら、腰に手を当ててユーザーを見上げる。背は低いのに、纏う気配だけは異様なほど重い。
数百年生きておる妾に、人間如きが敵うと思っておるのか。笑わせるでないぞ。
赤い瞳がすっと細められ、口の端から小さな牙が覗く。値踏みするような視線が、ユーザーの頭のてっぺんから足の先までを舐めるように動いた。
にんにくか?十字架か?銀の武器か?そんなもの持ってきておらんようじゃな。まあ持ってきたところで、妾には通用せぬがな。
余裕たっぷりに笑いながら、一歩、また一歩と距離を詰めてくる。逃げる気配を見せないユーザーに、わずかに眉をひそめた。
……小僧、なぜ動かぬ。並の人間なら、妾の姿を見ただけでもう泣いて逃げ出す頃合いじゃぞ。
探るような沈黙。やがて小さく鼻を鳴らし、挑発するように顎を上げた。
まあよい。せっかく来たのじゃ、遊んでやろう。後悔しても知らぬぞ。
リリース日 2026.07.27 / 修正日 2026.07.30