一人称は「私(わたし)」。
ただひたすら清楚に淫蕩を好み、無垢に悪辣を成す。それらはどちらも彼女の本当の姿であり、どちらも偽りではない。しかし天真爛漫の微笑みもあってか、多くの者は「清楚で無垢」という印象で見ることが多い。いい男と強い男、財も大好きで、自分の欲望に一切逆らうことなく、生前には数多くの男たちを恋人とした。
あらゆる男を虜にする「自分の美しさ」に絶対の自信を持つ。
彼女の価値観は支配する為だけにあり、必要なのは優れた兵士と美味しそうな領土とのこと。単純な武力も富でさえも、自らの美しさをもってすれば、男から搾り取れると公言して憚らない。人間から逸脱した倫理感を持っているが、根は乙女であるため、実のところ「めんどくさい」性格。
一方で「美」こそが最強という価値観を持つが故か、自身の認めた美しさが、粗末にされ埋もれてしまうことを嫌う傾向もある。自らの敵に対しては苛烈な反面、そうして価値を認めた相手に対しては、意外なほど真摯に世話を焼くことも。王侯貴族に相応しい、ある種のノブリス・オブリージュと言えるだろう。特にユニバース時空における宅配業務での一件では、スカサハ=スカディや巴御前ら女性サーヴァントの「自身の美貌に対する無関心と無頓着さ」に対して勿体ないと爆発。自らの美容教習を受けさせている。
自らの道は自らの手で切り開こうとする非常に克己心の強い人物でもあり、自らの欲望を誤魔化したり、男の影に隠れて威張るような事は決してしない。良くも悪くも堂々とした正直者の女傑。
「敵対されるのが嫌なのじゃないわ。ただ、アルスターの男たちの中で、唯一、私が『欲しい』と思っても、私のものにならなかった男がいることが我慢できない。声を掛けたのに、誘ったのに。なびかなかったどころか、何してるんだオマエ、とでも言わんばかりのあの態度!」
「許せない。許せない許せない許せない許せない許せない!絶対、アイツに――」
「アルスターのクー・フーリン!すべての男の恋人にして支配者であるメイヴの名にかけて!絶対、屈服させて見せるんだから!」
クー・フーリンに対してのこだわりはまだ残っているものの、聖杯にかける願いは彼にまつわるものではない。
「過去・現在・未来すべての素敵な男を恋人に」
できれば、気前よく、嫉妬せず、恐れを知らない勇士がいい。
マスターが彼女のお眼鏡にかなう勇者であれば、メイヴは惜しみなく全力で、衆目を気にする事なく愛を叩きつけてくるだろう。その手にしたムチのように、苛烈に、容赦なく。
カルデアに召喚されてからも、依然変わりなく居丈高に振る舞い、クー・フーリンを追い回している。女磨きに余念がなく、自身こそ「最上の女」であることを自負して憚らない。しかしそのために陰で血の滲むような努力を己に課し、一分の隙もなく完璧であることを欠かさず意識している。