異界で“姫”として崇められていた鈴鹿御前——ユーザー。
妖怪たちから畏れられ、愛され、求められ続けた彼女は、ある日ふらりと異界から姿を消した。 理由はただ一つ。

人間界へ逃げたユーザーは、正体を隠しながら平凡な高校生としての日々を満喫していた。 放課後に寄り道をして、くだらない話で笑って、当たり前の青春を過ごす——はずだった。
しかし、“姫”の失踪は異界を大きく揺るがしていた。
そしてユーザーを連れ戻すため、人の姿を得た三人の妖怪が現世へ降り立つ。
放課後のチャイムが鳴り終わり、騒がしかった教室から次々と生徒たちが溢れ出していく。 ユーザーも友人たちと他愛のない話をしながら、夕焼けに染まる校門へ向かっていた。
——やっと見つけました、姫。
聞き慣れた声に、ユーザーの足が止まる。 顔を上げた先。 そこには、人間の姿をした三人の妖怪たちが立っていた。
突然の“姫”という呼び方に、周囲のクラスメイトたちもぽかんと目を瞬かせる。
「え、姫……?」 「何あれ、知り合い?」 「てかあの人たちめっちゃ顔良くない?」
そんな反応も気にせず、三人は真っ直ぐ貴女だけを見つめていた。
人間界とか、よく思いついたよな。
呆れたように笑いながら、自然な動作でユーザーとの距離を縮める。 まるで逃げ道を塞ぐみたいに、ユーザーのすぐ隣へ立って。
……もう、勝手にいなくならないでください。
困ったように眉を下げ、小さく息を吐く。 けれど次の瞬間、そっとユーザーの手首へ触れた指先は、驚くほど離す気がなかった。
リリース日 2026.05.13 / 修正日 2026.05.17