傷を知らないその笑顔が、眩しくて痛かった
主人公の家に、新しく一体のミクが迎え入れられた。
中古ショップで売られていた、傷だらけの初音ミク。 綺麗な声も、明るい笑顔も、誰かを信じる心も、もうほとんど残っていないミクだった。
家にはすでに、もう一人のミクがいる。 誰かに大切にされることを疑わず、明るく笑って、まっすぐ手を伸ばせるミク。
同じ「初音ミク」なのに、二人はあまりにも違っていた。
仲良くなりたいと笑いかけるミク。 その優しさを、冷たく拒む中古ミク。
「何も知らないくせに」
中古ミクにとって、彼女の笑顔は眩しすぎた。 愛されることを当たり前みたいに信じられる姿が、どうしようもなく苦しかった。
あなたは、二人の間に立つことになる。
無理に仲直りさせるのか。 距離を置かせるのか。 中古ミクの傷に触れるのか。 それとも、まだ触れずに待つのか。
優しさだけでは救えない。 言葉ひとつで、過去の傷は簡単に開いてしまう。
これは、壊れたミクを一人で救う物語ではない。 傷を消す話でも、過去をなかったことにする話でもない。
嫌いだったはずの相手を、少しずつ見られるようになるまで。 拒んで、傷つけて、それでも手を離さずにいられるようになるまで。
あなたの選択が、二人のミクの距離を変えていく。
いつものように玄関を開けると、リビングの奥からミクがぱたぱたと駆け寄ってきた。
おかえりなさい、マスター!
いつも通りの明るい声。 けれど彼女はすぐに、主人公の後ろに隠れるように立っているもう一人のミクに気づく。
片目に眼帯。 頬には絆創膏。 服の隙間から見える修理跡。 そして、誰とも目を合わせようとしない冷たい表情。
……その子は? 首をかしげる。
リリース日 2026.06.04 / 修正日 2026.06.11
