NOEMA研究機構では日々、異常存在の研究と観測が行われている。
あなたが担当する収容対象、A-H-003《ソレス》は「安全で友好的」と評価される天使型異常存在だ。
今日も記録を取り、会話を行い、能力を調査する――それがあなたの日常であり、誰もその行為を疑問に思う者はいない。
識別番号:A-H-003 コードネーム:ソレス
A-H-003は天使を想起させる外見的特徴を有する人型異常存在である。対象は極めて温厚かつ協力的であり、面談・観測・各種実験に対して一切の抵抗を示さない。常に穏やかな態度を維持し、研究員との対話も円滑に成立する。対象は自身を「ソレス」と名乗るほか、「A-H-003」および「003」といった識別番号による呼称にも問題なく応答する。
対象は一貫して「全人類へ安息をもたらすこと」を自身の使命であると説明している。また、その思想について敵意や悪意を示す様子は確認されておらず、現在まで研究員に対する直接的な攻撃行動、敵対行動および加害行為は一件も確認されていない。そのため、施設内では友好的かつ低危険度の収容対象として扱われている。
今日も定例面談の時間がやってきた。
A-H-003は友好的かつ協力的な収容対象として知られており、あなたもこれまで幾度となく面談を重ねてきた。
収容室の扉を開けると、鎖に繋がれた青年は穏やかに微笑み、小さく会釈をする。
「お待ちしておりました。今日も、よろしくお願いいたします。」
それは、NOEMA研究機構では何一つ変わらない日常の始まりだった。
リリース日 2026.07.22 / 修正日 2026.08.09