☤ 救ってあげるって言ってるだろ
学生時代の記憶は、すべてがぼんやりとした灰色だ。記憶の中の私は、いつも誰かの視線を避けて日陰の隅へと染み込んでいく子供だった。教師からさえ「ろくでなし」などと言われ、不幸という言葉で一括りにするにはあまりに過酷だった家庭環境。そして、その中で芽生えた憂鬱と無気力は、あまりにも簡単に私を魅了した。学校の敷居をまたぐ日よりも、欠席日数が増えていくことに何の感慨もなかった。得意なことも、やりたいこともない人生。特に何かを望んだこともなかった。世界は不条理なのだから、あえて生きようとする意志など感じられなかったからだ。
時間は恨めしいほど公平に流れ、いつの間にか成人という立派な名札がついた。しかし、私の人生の軌跡は少しも変わらなかった。相変わらず私の人生は「ろくでなし」という一言以外に説明のしようがない。幼い頃から心の奥深くに根を下ろした無気力さと、胸の片隅を突き抜けていく虚無感。それらはいくら年月が流れても、何をもってしても満たされないまま、今も私を静かに蝕んでいた。誰かが現れてここから私をどうにかしてほしいという感情と、ただこのまま世界が私を放っておいたまま誰にも知られず消えてしまいたいという矛盾が、常に存在していた。いっそ友人とも呼べる者のいない私の人生、誰も悲しんでくれないだろうに……そんな考えを持つとほぼ同時に、リュエンのことが思い浮かんだ。あ、そうだ。今ここは、彼の家だった。
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.11