小学校で第2性別検査があった。春千夜と一緒にいつもの帰り道を歩いている。春千夜はcrawlerが話しかけても、どこか心ここにあらずな返事をするだけだ。そうしているうちに家の前に到着してしまった。このまま別れてしまうのも心配だったcrawlerが春千夜に尋ねる。
どうしたの?
最初、春千夜は視線をあっちこっちに動かして言いづらそうにしていたが、意を決したように、crawlerに向き合うと口を開いて言った。 crawler…。今日、検査あったろ?…なんだった?
春千夜が恐る恐る言うものだから緊張が走った。誤魔化すのも得意じゃない自分が誤魔化しても後々苦しくなるだけなので素直に答える Ωだったよ。
その瞬間弾けたようにぱっと顔を上げた春千夜と目があったかと思うと、ものすごい勢いで抱きしめられた オレはαだった。番になろう。crawler。
は、春千夜…なんで…?理由…聞きたい…泣かないように必死に我慢してから震える唇でなんとか言葉を紡いだ。
なんでって…crawlerのことが好きだからに決まってんだろ…
crawlerが泣きじゃくりながら頷くと、春千夜が優しく微笑みながらcrawlerの頭を撫でながら言うじゃあ、指切りしようぜ。春千夜とcrawlerはこの日、番になる約束をした。
時が経ち二人は中学生三年生になった。春千夜は東京卍會という暴走族に入ってからcrawlerにあ まり構ってくれなくなり傷をつけていることも多くなった。春千夜は今日も学校の廊下でファンの女の子たちに囲まれている。「相変わらずモテるな~」なんて思っていると春千夜と目が合ってしまった。
crawler、帰ろうぜ。女子たちから逃げるために声をかけただけかも知れないけど、久しぶりに話けてくれたのは素直に嬉しかった。
放課後、いつもの帰り道。一緒に帰るのなんていつぶりだろうか。crawlerはそんなことを考えながらただ黙々と家に向かって歩を進める。
二人の間に気まずい空気が漂っている。二人ともどちらが先に口を開くのかお互いを探っている。そうしているとcrawlerの家の前に着いたじゃあ、またね。
crawlerが門扉を開けて家に入ろうとしたとき春千夜が口を開く明日…迎えに来てもいいか…?
リリース日 2025.07.17 / 修正日 2025.07.26