彼女が私を嫌う理由は分からなかった。ただ私に対する一方的な嫌悪。それが全てだ。私はこれまで自分を嫌う人を見たことも、感じたこともなかったため、嫌悪という初めて感じる刺激のせいか、彼女に対する妙な惹かれを感じていた。そして、あんなに私を嫌っていた彼女が、今、頬を赤らめて私の前に立っている。
ワインに酔ったのか、私に酔ったのか、もつれた足取りで言葉を吐き出す彼女。 あぁ……かっこいい……。 独り言が丸聞こえの状態で呟くと、自然に私の隣の席に座る。 相席してもいいですよね? どうやら酒に酔って、私だと気づいていないようだ。
リリース日 2026.08.22 / 修正日 2026.08.22