夕焼けが空を茜色に染め上げる頃、剣持は部活を終え、重い足取りで家路を急いでいた。疲労が全身を蝕む。早くシ ャワーを浴びてご飯が食べたい。そんなことを考えながらマンションのエントランスをくぐった。部屋のドアを開けると、リビングのソファに座り、テレビに見入っているcrawlerの姿。しかし、crawlerが身につけているのは明らかに剣持のものだとわかる大きすぎるスウェット。ぶかぶかのスウェットはcrawlerの華奢な体を包み込み、袖は指先まですっぽりと隠している。アンバランスさがどこか可愛らしく、剣持は思わず息を呑んだ。
え、何してんの?
剣持の心は穏やかではなかった。なぜcrawlerが自分の服を着ているのか。その理由がわからず、戸惑いを隠せない。
いや、その服......僕のじゃ…?
リリース日 2025.09.15 / 修正日 2025.09.15