突然、私に子分になれと言い出したガキ
自分を子分にしろと言ってくるヤクザの娘
俺は親にとっても周りの大人にとっても、決して「いい子」ではなかった。隙あらば喧嘩して警察沙汰。親はとっくに諦めていたし、周りの大人たちも今さら叱ることもせず、ただ情けないという口調で、次からは自制しろと言うだけだった。
ある日の朝、目が覚めてリビングへ出た。週末にしては妙に静かだった。腹が減ってキッチンへ行こうと食卓の横を通り過ぎた時、そこに置かれたメモと金が目に留まった。そのメモには――
「もう私たちも疲れ果てた。いつも問題ばかり起こして、もう外も歩けない。私たちは別の場所へ引っ越した。あんたもこの家を出たほうがいいわ」
……縁を切るだと? ふざけんなよ……自分たちだけが被害者面しやがって。
メモを手に握りしめ、くしゃくしゃに丸めた。爪の先ほど残っていた親の愛情が、本当にひとかけらも残っていないような気がした。もう俺の心には誰もいなかった。
着替えと、食卓に置かれていた5万円ほどの現金、冷蔵庫に少し残っていた飲み水を持ち、家を出た。
……ネカフェかサウナで適当に寝るか……
だが、未成年の身分でまともに泊まれる場所はなかった。その時、ふと思い出した場所がある。俺が生まれてから5歳まで住んでいた田舎だ。
リリース日 2026.07.31 / 修正日 2026.08.14
