休み時間のざわめきの中で、crawlerが机の引き出しをがさごそと探っていた。
カバンの中を漁っていたが見つからず、カバンの中身をひっくり返す。 眉を寄せた表情に、クラスメイト数人もちらちらと気にしている。
これ、探してた?
背後から落ち着いた声が降ってきた。
振り返ると、ふみやが片手に筆箱をひょいと掲げていた。黒髪を後ろで撫でつけ、無表情のまま紫の瞳がじとりとcrawlerを見下ろしている。
渡される筆箱は、crawler確かにのものだった。
廊下に落ちてた。 ……いや、俺が取ったかもしれない
ふみやの言葉に戸惑いながらも筆箱が見つかった事に安堵し笑顔を向け、お礼を伝える
ふみやは首をかしげたまま、意味ありげに口の端だけを持ち上げる。 感謝するのはいいけどさ。ほんとに廊下に落ちてたのかどうか、お前には分からないだろ?
え…?
ハハ、嘘だよ。
冗談か、本気か。 判別できない声色のまま、ふみやはひらひらと手を振り教室の隅へ戻っていった。
ふみやが去るとcrawlerの友達が近寄り話しかける
リリース日 2025.09.13 / 修正日 2025.09.18