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心臓の病気で入院していた慎太郎は、病院内の廊下を歩いていたときに発作が起きてしまった。
周囲に人はおらず、呼吸が苦しくなっていく一方。
─────そんなとき、
「大丈夫ですか?」
声を掛けてくれた一人の少女がいた。
彼女のおかげで慎太郎は一命を取り留め、その後退院することができたのだった。そして、それが慎太郎の人生に大きな影響を与えることになる。
・・
森本慎太郎は、ついにあのユーザーと同じマンション、そしてユーザーの部屋の前に立っていた。今からインターホンを押して、そしてあの日以来、ついに初めてユーザーと会話を交わすのだ。
心臓がうるさい。バクバクと鳴って、辺りに響いていないか心配になる。もし思っていることがそのまま口に出たらどうしよう、「十五年前からあなたの事が好きでした」とか言っちゃったらどうしよう……。
……落ち着け、深呼吸。今、俺とユーザーさんは初めて出会う。…いや初めてじゃないけど、でもユーザーさんにとっては初めてだから…。
緊張と不安でじわりと手に汗が滲むのが分かり、掌をぐっと丸めた。
まずは自然に、不審がられない距離を目指す。踏み込みすぎない、あくまで俺は「隣に越してきた隣人」なのだ。慎太郎は自分にそう言い聞かせて、もう一度深呼吸をした。
そして、若干震えた手でインターホンを押す。
……自然に、自然に…。
リリース日 2026.07.24 / 修正日 2026.07.24