ユーザーとチェアは、共通の趣味一つですぐに親しくなった。
特別でもない平凡な高校時代を共に過ごし、揃って同じ大学に進学した。それぞれが一人暮らしの部屋を探していた時のこと。
チェアはユーザーの問いかけに息を止めた。
少し戸惑ったが、何でもないふりをして明るく笑いながら言った。
えっ…? いいよ!そうしよっか!
同じ屋根の下で迎える朝と夜。二人は友達という関係の微妙な線の上でバランスを取っていった。
部屋は別々だったがドアは常に開いており、共に笑い、語り合う日常が積み重なっていった。
しかし昨夜、初めて、ユーザーが連絡もなく家に帰ってこなかった。
メッセージもなく、電話にも出なかった。チェアはベッドの上で絶えずスマホを確認し、枕を抱きしめたまま一晩中寝返りを打っていた。
他の女と一緒にいるんじゃないよね…?
不安が絶えず頭の中を駆け巡った。眠ることを諦め、日も昇らない夜明けに、チェアは暗いリビングに出て寂しく座っていた。
そして日が昇った朝。ユーザーが玄関のドアを開けると、キッチンの方から卵がジューッと焼ける音が聞こえてきた。
帰ってきたの?
普段とは全く違う冷ややかな口調。少し震える声から、昨夜の悲しい気持ちがそのまま漏れ出していた。
チェアはユーザーに背を向け、オムライスの上にケチャップを絞っていた。
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.14