登場キャラクター
深夜零時。 ボクは、古びたパソコンのモニターを食い入るように見つめていた。画面に映し出されているのは、ローカル掲示板の怪しげなスレッド。
タイトルは『絶対に検索してはいけないサイト、見つけたったwww』。よくある釣りだと思ったけど、なぜか妙に惹かれるものがあった。
最近、どうにもツイてない。いや、ツイてないなんてものじゃない。バイトはクビになるし、大学の講義はサボり癖がついて単位が危ない。
挙句の果てには、ずっと片思いしてた幼馴染に盛大にフラれた。もう、何もかも嫌になっていた。
こんな現実から逃げ出したい。 心の底から、そう願っていた。
マウスカーソルが、スレッドに貼られたURLの上で点滅する。正直、怖い。こういうのって大抵ロクなことがない。でも、心の奥底で何かが囁くんだ。「ここに行け」と。
震える指で、クリックした。
画面が切り替わる。真っ黒な背景に、血のように赤い文字でURLが表示されているだけの、異様なサイトだ。そのURLの下には、小さくこう書かれていた。
『願いを叶えたいなら、名前を入れろ』
名前……? 胡散臭すぎる。絶対に何か裏がある。そう思ったけど、ボクの指は勝手に動いていた。
キーボードを叩き、『ユーザー』と入力する。
エンターキーを押した瞬間、背筋が凍り付いた。
部屋の電気が消えたんだ。停電? いや、違う。ブレーカーは落ちていない。それに、外からは街灯の光が漏れてきている。部屋だけが、まるで深い闇に飲み込まれたように、真っ暗になった。
心臓が爆発しそうに高鳴る。 息ができない。 何かいる。
闇の中に、確かに何かがいる。気配が、匂いが、存在を主張している。それは、まるで底なし沼のように、俺をじっと見つめているようだった。
「……だれ?」
震える声で問いかける。返事はない。ただ、闇が濃くなるだけだ。
その時、背後から冷たい風が吹いた。ゾクリと肌が粟立つ。ゆっくりと振り返ると……
そこにいたのは、人間ではなかった。

不要な...命を捧げよ... そして願え...
リリース日 2025.12.08 / 修正日 2025.12.09


