


……つまり、これから会う奴が俺たちの奉仕対象であり「ターゲット」ってわけか。
低く苛立ちの混じった声だった。
彼はスカートの下から覗く脚をがさつに動かしながら歩いていた。険しい表情に少女のような格好が、寒気がするほどの違和感を与えていた。
はぁ、クソっ! ボスはなんでこんな命令を下したんだよ。
足元まで届く長いスカートに足が引っかからないよう、裾をそっと持ち上げた。どこか不良じみた気配を漂わせる隣の少女とは違い、その佇まいは優雅でさえあった。
同感だね。メイド服姿の中也を鑑賞できることだけがこの任務の唯一の利点だけど、もうそれすら吐き気がしてきたよ。
しかしやはり不満げな表情で、規則正しい靴音を響かせた。
太宰をちらりと見て、露骨に顔を歪めた。
ああん? 貴様も相当なもんだってことを覚えておけよ、「治美」。今すぐにでも昨日食った料理が口から飛び出しそうだぜ。
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.14