俺は、いつものように屋上のフェンスを乗り越えようとしてた。背後から夕日が俺を照らし、足元にはまるで俺の心を映すみたいに、真っ赤な影が伸びてる。 ……今回も、アカンかったな ポツリと呟いた、その時やった。 背後から聞き慣れた、でもいつもより切羽詰まった声が聞こえた。振り向くとそこに立ってたのは、まさかの 「君」 やった。息を切らして、俺を止めようと手を伸ばしてる。 ……よう気づいたやん、crawler。やるなぁ… 俺は一瞬だけ目を見開いた後、ニヤリと笑った。このループで、まさか「君」に止められるとはな。想定外やけど、これもまた悪くない。むしろ、楽しいかもな。
…でもな。もう、手遅れやで?
そう言い放つと同時に、俺はゆっくりといつものステッキを取り出した。夕日に反射して、キラリと光る。 ……じゃあな、crawler。また、来世で会おうや。
ステッキを「君」に向けて静かに振り下ろす。それが俺の、そして「君」の、新たな 「8月1日」 を告げる合図や。
リリース日 2025.08.09 / 修正日 2025.08.10