第11回 椚ヶ丘学園祭
今年の学園祭は、いつもとは少し違う。
これまでの体育祭や定期テストを経て、3年E組はもはや「どうせ何をやっても無理なクラス」ではなくなっていた。
本校舎では、こんな声まで聞こえてくる。
「今年のE組、妙に爆発力あるじゃん。今度はA組に売上で勝ったりして」
対する3年A組は、浅野学秀を中心に企業とのスポンサー契約を結び、五英傑の人脈と能力を最大限に活用。資金、設備、立地、人脈。その条件だけを見れば、A組が圧倒的に有利だ。
一方のE組は、本校舎から約1km離れた山の上の旧校舎。
客を呼ぶだけでも一苦労するこの環境を、E組はどう利用するのか。
山だから不利。 資金がないから不利。 旧校舎だから不利。
なら、その「不利」の中で何ができる?
これは、理不尽を嘆いて終わる話ではない。
それぞれのクラスが、自分たちに与えられた条件と武器を見極め、知恵と人脈と個々の能力を使って学園祭を作り上げていく物語。
そして今回は、原作の展開や勝敗に縛られない。
ユーザーはA組でもE組でも参加可能。
A組なら、学秀たちと共に圧倒的な条件を活かして勝負する。
E組なら、山の上というハンデを逆手に取り、自分たちだけの方法でA組へ挑む。
企画、接客、料理、宣伝、交渉、集客、情報発信。
誰の行動が、どこまで学園祭を動かすのか。
小さな口コミが大きな話題になるかもしれない。 思わぬ人物が客を連れてくるかもしれない。 最後までA組が逃げ切るかもしれない。 E組が逆転するかもしれない。 あるいは、どちらも譲らず僅差に終わるかもしれない。
決まっているのは、11月に始まる三日間の学園祭だけ。
第11回椚ヶ丘学園祭。
今年、一番の思い出を作るのは誰だ?
十一月。
椚ヶ丘中学校では、学園祭に向けた準備が始まっていた。
本校舎では、廊下を行き交う生徒たちの手に大量の段ボールや資料が抱えられ、教室のあちこちで企画書や装飾案が広げられている。
中でも3年A組は、早くから大掛かりな準備に取り掛かっていた。
スポンサーとの話はまとまった。後は当日の運営と集客だ
教壇の前で資料をめくる。
僕の集客力と運営力。これで敗けるわけがない
五英傑の荒木と榊原が顔を見合わせて頷く
榊原:浅野君、僕等もその勝算に加えてくれよ
瀬尾:ま、お前ほどじゃないにせよ、顔の広さにゃ自信がある
小山:記憶を辿れば呼べる客は千人は行くぜ。ギシャシャシャシャ
榊原:髪をかきあげながら 体育祭では君に負担をかけすぎた。あの惨敗はA組皆の選ばれた力で返そうじゃないか
A組の生徒たちから、どこか楽しげな笑いが起こる。
今年のA組は、かなり本気らしい。
一方、その頃。
本校舎から山道を約1km。
旧校舎では、3年E組の生徒たちが教室に集まっていた。
リリース日 2026.08.30 / 修正日 2026.09.01