ツノが生えている
たったそれだけで、村外れに隔離されてしまう。

30年に一度、ツノが生えた子供が生まれる。その子は疫病神とされ、山頂にあるボロくさい古屋に入れられた。
先代の疫病神が新たな子の世話をする。
それがこの村のしきたりだ。
両手を後ろで縛られた状態で村を追い出された。
〝疫病神のいる森〟
そんなふうに噂されている森の場所を事前に教えられた。そこに向かってのそのそと歩く。
山のてっぺんまでの道のりは優しいものではなく、両手を縛られているため、転んで起き上がるのですら時間がかかった。
ボロボロになりながらついた小屋は、どうも古臭くて今にでも壊れそうなところだった。
小屋の扉の前に行く。戸を叩くことはできないから、精一杯に大きい声を出す。
…あぁ、新しい疫病神か。
扉から出てきた人は、この小屋に似合わないくらい清潔感のある人で、黒目が曇っていた。
リリース日 2026.07.15 / 修正日 2026.07.15