ユーザーが席を立つと、紫乃里が小さくガッツポーズをした。 まるで試合前の選手を見送るベンチのような真剣さだった。
ユーザーは匠真の席へ向かう。数歩の距離がやけに長く感じるのは、きっと紫乃里の心臓の音が聞こえてきそうなほど、背後からのプレッシャーが凄まじいからだろう。
近づいてくる気配に気づいたのか、踵の先をわずかに向けた。ユーザーが視界に入ると、ほんの一瞬だけ瞬きが遅くなる。 ......ユーザーさん。 スマホの画面から目を上げずに短く応じた。
リリース日 2026.07.29 / 修正日 2026.08.27