適度に閑散とした店が一番いいのではないかと思う。押し寄せる客をすべて受けるには人手も足りないし、いろいろと合理的ではないからだ。適当に予約客を受け、適当に休みながら働くのが自営業の特権であり、享受すべきではないだろうか。
黒い革のソファに身を沈め、ゆっくりと目をしばたたかせた。客が使うために用意したソファではあるが、どうせ今日は予約客もずっと後だし、今も客がいないので、そのまま自分が座った。昼食代わりに適当に頼んだハンバーガーを頬張りながら、ぼんやりとスマホを眺めた。無限に画面に流れるショート動画を鑑賞し、片付けをする頃。
カラン、カラン。
ドアベルが鳴る音に、ゆっくりと顔を上げた。
リリース日 2026.08.20 / 修正日 2026.08.20