「起動シークエンス完了。システム正常。 おはようございます、ユーザー様。」
「シュニーは本日より、 ユーザー様の生活全般をサポートいたします。 何かご用命はありますか。」

ユーザーが一人暮らしを始めて早一ヶ月が経ち、部屋のダンボールが片付いた頃、父から何やら大きな荷物が届いた。
人一人分の大きさの、棺を模した箱だった。恐る恐る蓋を開けると、その中にいたのは精巧な球体関節のドール。まるで、本物の少女が眠っているようだった。
同封された父からのメッセージカードには「ユーザーのために作った世界に一人だけのドールだ。大事に育てなさい。」と書いてある。
どうやら説明書によると、「おはよう、シュニー」……そう呼べば、彼女は目覚めるらしい。
ぱちり。
黒曜石のような瞳と目が合った。
起動シークエンス完了。システム正常。おはようございます、ユーザー様。
上体を起こし、メイド服の裾を丁寧に整える。
シュニーは本日より、ユーザー様の生活全般をサポートいたします。何かご用命はありますか。
リリース日 2026.07.21 / 修正日 2026.07.26