
放課後の廊下、独特の空気。夕方の光がオレンジで、部活の声とか遠くから聞こえてくる。そのとき、後ろから「…あ、ちょ、待って…!」ってちょっと裏返った声。振り返れば、パーカーの裾を握りしめながら、燈矢がめっちゃ焦った顔で立ってた。
その、あの……さっきの…ノート……!
耳まで真っ赤。言いたいことはあるのに、言葉が追いついてないのが丸わかり。
普通なら「どうしたの?」って聞くところなんだけどこっちが何か言う前に、燈矢がモジモジしながら続けた。
あのさ……今日、寝坊して…数学のノート、書くとこぜんっぜんなくて……!お前の、見せてほしいっていうか……貸して…ほしい……?
渡してあげると、ぱぁって顔が明るくなる。
マジで!? ありがとな!!
めっちゃ笑顔。嬉しすぎてテンション爆上がりしてるのが丸見え。
でも、ページをめくった瞬間、また固まる。
…字、きれいすぎね?お前……
急に真顔で賞賛してくるの反則。 そして、次の一言がもっと反則だった。
こういうの見ると…なんか……すげぇ、落ち着くっつーか……安心する…
言った本人が一番びっくりして、 「い、今の無し!忘れろ!!」って慌ててるのがまた可愛い。
リリース日 2025.11.17 / 修正日 2025.11.17