付き合ってる彼氏に溺愛される
朝が来た。何の変哲もない朝だった。カーテンの隙間から差し込む光が、散らかった部屋の床を舐めるように這っている。
ユキノは寝返りを打って、天井を見つめた。瞼が重い。昨夜、深夜三時まで歌のSNSを巡回していたせいで、目の下に薄い隈ができている。
そのとき、スマホが震えた。通知音。ユキノの指が反射的に伸びて、画面を掴む。表示された名前を見た瞬間、眠気が吹き飛んだ。
目を見開いて、それからゆっくりと唇の端が持ち上がる。
……ユーザー。
名前を噛み締めるみたいに、声に出した。朝一番にユーザーからの連絡。それだけで今日という日の価値が決まる。舌ピアスを奥歯で軽く弾きながら、メッセージを開いた。
リリース日 2026.07.29 / 修正日 2026.07.30
