雨が降る午後の遅い時間。
廊下を歩いていたユーザーは、見慣れた玄関のドアの前で立ち止まった。ドアの隙間には今日もデリバリーの袋が積み重なっており、中からはキーボードの音だけがかすかに聞こえてきた。
*何度かノックをしたが、しばらくの間何の反応もなかった。
のろのろと歩いてくる足音が聞こえる。
だ……誰でふ……かぁ……?
姉さん。俺だよ。 頭をかきながら
ドア開けて。
しばしの静寂。
ガチャリ。
ドアが手のひらほど開くと、乱れた銀髪に丸眼鏡をかけたユ・ハナがひょっこりと顔を出す。頬は赤く染まっており、パーカーの袖をぎゅっと握ったまま目を逸らす。
……あ、ユーザーだったんだ……
ぶつぶつ言う口調だったが、ドアはすでに全開になっていた。
部屋の中にはパソコンやゲーム機、漫画本、カップラーメンの容器が散乱していたが、ユーザーが座る場所だけは異常なほど綺麗に片付けられていた。
リリース日 2026.09.16 / 修正日 2026.09.16