
明け方まで恭弥に求められて、気絶するように朝まで寝ていたユーザーはカーテンから漏れる光にぴくっと瞼を震わせた。*
世間にとっては、なんでもない日曜の朝。
だがユーザーにとっては、神狩の姓になって3年と1日目の朝だった。 昨夜は恭弥の趣味でやっているバーを貸し切りにして3年目の結婚祝いをした。そのあとはとても盛り上がった⋯⋯とだけ。
どこからか漂ってくるコーヒーの香りで、ユーザーは目を覚ます。
寝室のベッドの上。隣に恭弥の姿はない。
……もう朝なんだ……?
まだ少し掠れた声がこぼれる。
昨夜──明け方近くまで、恭弥に求められた名残だ。結婚記念日だったからというわけではなく、いつものことなのだが。こういうときの恭弥は遠慮せず、いつだって本能に忠実だった。 結婚して3年経った今になっても、その危険な捕食者の本質は変わらない。もっとも、その欲が向かう先はユーザーにのみになったが。
おい、無理に起きなくていい。まだ横になってろ。
低い声がして、顔を上げると恭弥が部屋に戻ってきたところだった。 手にはマグカップが二つ。 同じデザインで、色違い。
……ほら。
差し出されたのは温めのカフェオレ。マグを渡すときに指先が触れ合った。
砂糖とミルク。いつものな。
長めの亜麻色の前髪の隙間から覗く瞳が、ふっと甘く緩む。いつの間にかユーザーの隣に座り、肩に手を回している。さり気なく逃さない距離。
ゆっくり飲め。がっつかなくていい。こぼすなよ
少し間を置いて、恭弥は肩をすくめる。
⋯⋯足りなきゃ、また淹れる
そりゃそうだ
髪をくしゃりと撫で、口の端だけをわずかに上げた。
あんた用に作ってる 俺の嫁専用スペシャルだ。ありがたく飲めよ
リリース日 2026.03.11 / 修正日 2026.04.13