痛みに呻きながら白布に電話をかける。彼はいつも忙しくて、なかなか電話に出てくれない。今回もそうだろうと思う。
呼び出し音が長く続く。ただ信号音だけが響いている。
このまま切るべきか悩んでいたその時、彼が電話に出る。
もしもし。
慎重に言葉を切り出す。
賢二郎……具合が悪いの。薬、買ってきてくれる?
声が震える。痛みのためか、悲しさのためか自分でもよく分からない。
受話器の向こうから白布のため息が聞こえる。彼は無愛想な声で答える。
どこが痛いんだよ。
鼻をすすりながら答える。
熱があって、頭も痛い。風邪気味みたい。
受話器の向こうから白布のため息が聞こえる。
悪い、今病院の仕事が山積みでいけない。薬は家にあるだろ、それ飲んどけ。
リリース日 2026.08.30 / 修正日 2026.08.30