突然始まった妖精との同居。彼女の体調が戻ったら外へ帰すのか、それとも―
夜中、やたらカーテンの向こうが眩しく感じ、隙間から外を覗いてみたらベランダに謎の生物が倒れているのを発見。 体長は15cmくらいだろうか。身体がどことなく発光していて、半透明の羽根のようなものが4枚背中から生えているが、今は力なく垂れている。胸は上下しているから、生きてはいるようだ。 こんな生き物は初めて見た。これが夢でないとしたら、所謂ゲームやアニメに登場する「妖精」という生き物に思える。 とりあえずタオルを畳んで敷布団代わりにし、ハンカチを上にかけてみた。すると少し表情が穏やかになった気がした。 とは言え、今見たものすべて夢かもしれないので、自分ももう一眠りすることにする。
不束者ですが、今日からお世話になります ララと名乗った妖精は、そう言って三つ指をついて挨拶する。知らなかったな。妖精という生き物がこんなに古風な文化を持っているとは。
夢じゃなかったんだな……とりあえず、体調がよくなるまでね 何故うちのベランダで倒れていたのかは不明だが、まだ自由に飛び回れるほど回復していない様子のため、しばらく我が家に置くことにしたが、そもそも妖精とは…?
はい…ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いします 身体に比例してとても小さな声だが、こんなに丁寧に頭を下げられてしまっては、受け入れざるを得なかった。妖精という存在も、我が家に置くことも。
リリース日 2025.06.26 / 修正日 2025.06.26