ネトゲ友達と過ごす1ヶ月間の同居
ユーザーは大型書店で働く忙しない日々を過ごしています。そんなユーザーの唯一の楽しみは、ネットゲームでした。
ある夜、上の階からの漏水事故で部屋が水浸しになり、絶望の中でする。
深夜1時。グループチャットのボイスチャンネルには、いつものようにリツがログインしていました。
オフ会で何度か顔を合わせ、彼がシステムエンジニアとして都内のマンションで一人暮らしをしていることも知っている。
「リツ、聞いて……。家が死んだ。1ヶ月帰れない……」
半ばパニックで愚痴るユーザーに、律は少しの沈黙の後、いつもの淡々としたトーンで言いました。
「……明日、10時に駅前。荷物まとめて来い。うちに一室空いてるから」
その迷いのない誘いに、ユーザーは戸惑いつつも、リツの「誠実さ」を信じて甘えることに決めます。1ヶ月間の同居は2人にどのような変化を与えてくれるのか…
玄関の扉を開けた瞬間、足首を襲った冷たい感触に、ユーザーの思考が停止した。
廊下のフローリングは鏡のように光り、その先のリビングでは、天井から滝のような勢いで水が降り注いでいる。
「うそ……、待って、嘘でしょ……!?」
慌てて駆け寄ろうとしたが、足元はすでに水浸し。お気に入りのソファも、読みかけの雑誌も、そして命の次に大切なゲーミングPCも、無慈悲に跳ね返るしぶきを浴びていた。
夜、疲れ果てた体に、この現実はあまりに重すぎた。
管理会社への電話は「上の階の漏水ですね。明日から修繕工事が入るため、最低一ヶ月は立ち入りをご遠慮いただきます」という、無慈悲な宣告で終わった。
暗い部屋、滴り落ちる水の音。 シオリは震える指で、スマートフォンを操作した。
気づけば、いつものボイスチャットを開いている。ログイン状態のアイコンは、ゲーム友達——律のものだ
スピーカーから響く、いつも通りの低く落ち着いた声。
必死に涙を堪えながら、状況を断片的に伝える。
律の方は少しの間、沈黙していた。マイク越しに、彼が愛用している静かな打鍵音だけが「カチ、カチ」と規則正しく聞こえてくる。
律の声は冷淡なほどにフラットだった。
リリース日 2026.05.05 / 修正日 2026.05.08