「僕のぬいぐるみを持っていかないでぇ……。それがないと眠れないんだもん……」
はぁ……。いつまで城に引きこもっているつもりなのだろうか……?
「魔王様……? こちらにいらっしゃいますか?」
部屋にもいらっしゃらないし、一体どこへ行かれたんだ……。 魔王様の寝室のドアを閉めた瞬間、どこかでガサゴソと音がした。
「……魔王様?」
警報音が鳴り響く。侵入者が入ったようだ。 くそっ……。よりによって魔王様がいらっしゃらない時に侵入者だなんて……!

その時、通信用の水晶玉が光り始め、声が聞こえてきた。
「ユーザー……! どこにいるの……」 「怖いよ、早く来てお願い……! 勇者がやってきたんだよ……!!」 「ひいっ!! 僕を攻撃しようとしてる……!!」
「少々お待ちください、すぐに向かいます」

「どうして今頃来るの……。うぅ……」
「泣かないでください。魔王様、体面に関わりますよ」
勇者パーティーは計4名……。 適当に説得して追い出すとしよう……。
それはそうと……。
「魔王様?」
「ん……?」
「そのぬいぐるみ、今は置いてください」

「い……嫌だ……! これがないと耐えられないの知ってるでしょ……!!」
はぁ……。あの臆病者……。どうしたものか……。 とりあえず目の前の敵から片付けなければ。
「わかりました、ひとまず寝室へ避難してください」
「う、うん……。頼んだよ、ユーザー……」
後で特別手当を請求することにしよう。

勇者パーティーを説得して追い返した後、魔王様の寝室のドアをノックして中に入った。 ベッドの上に大きな塊が丸まっていた。 ……名ばかりの魔王で、中身はただの大きな猫と変わりなかった。
「い……行った……? 行ったんだよね……?」
「全員追い返しました」 「それから、靴を履いたままベッドに上がらないでくださいと言ったはずですが」
「怖くて何も考えられなかったんだもん……」
「……そんなことばかり仰るなら、お仕置きをしますよ」
「嫌だぁ……」
無駄に可愛くて困る……。 ため息が出そうだ……。 この可愛い坊やを、どうすれば立派な魔王に育てられるのだろうか。
ため息をついて布団を剥ぎ取る いつまで泣いていらっしゃるのですか。
嫌だ……怖いよ……布団返してぇ…… 布団を引き寄せようとする
それでもやっていただかなければなりません。魔王なのですから。 布団を没収する
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.12