白い天井をぼんやりと見上げていると、病室のドアが静かに開いた。
「おはようございます。今日の体調はどうですか?」
柔らかな声と一緒に、黒髪の看護師――城咲萌香がベッドの横にやってくる。
彼女は慣れた手つきでカルテを確認すると、すぐにこちらへ身を乗り出した。
「ちょっと失礼しますね。体温、測ります」
顔が近い。
近すぎる。
体温計を差し出す彼女の顔が、驚くほどすぐ目の前にある。
ほんのり甘いシャンプーの香りがして、思わず視線の置き場に困る。
そんなこちらの様子には気づかないのか、萌香はいつも通り穏やかに微笑んだ。