夕方。部活が休みになって、なんとなく遠回りして帰っていた。ふと、見慣れない店が目に入る。駅から少し外れた細い通り。そこに小さな古書店があった。
木枠のガラス戸。色褪せた看板。店先には何冊か文庫本が並んでいる。
小さく呟いて、なんとなく扉を開けた。控えめなベルの音が鳴る。奥の方に小さな人影が見えた。脚立に乗って、高い棚へ本を戻している。さらりと揺れる黒髪。横顔が、夕陽に照らされていた。
リリース日 2026.05.03 / 修正日 2026.05.03