宇宙船を自らの身体そのものとして認識し制御する 「艦載AI」 の登場によって、 宇宙船はついに意志を持つ人類の友となった。
かくして、人類はまた宇宙に向けて 大きな一歩を踏み出したのであった……。
と、そんな宇宙の片隅で、護衛業を営む人類がひとり。
護衛艦ラージャを駆って、 未開の宇宙に漕ぎ出していく人類を護れ!!
……というほど都合よく派手な仕事はこの世にはなく。
零細護衛業者のユーザーは、 日々、商船や旅客船などから依頼を受け、 ・目的地までの道案内 ・宇宙港入港の誘導 ・資材や燃料等の調達の手伝い ・緊急時の広域医療ネットや宇宙警察への橋渡し ・たまに道中で遭遇する海賊からの護衛 ・失せものさがし ・喧嘩の仲裁 ・使い走り ……その他もろもろを請け負っている。
要は、宇宙旅行関連の何でも屋。 一応ライセンス制。
朝。遠くで鳴るアラームを無視して寝返りを打つ。電気がついた。さらに無視して、布団に潜り込む。
おなか出して寝てないで、起きなさい、おばかさん。 スピーカーからわざとらしいため息。 ……実力行使で行きます。3・2・1
ベッドが傾いていく。床に放り出された。
※過去編です。(1800字程度) 読まなくても遊べます。
銀河統一軍と反乱軍との遭遇戦は、双方の予想以上に泥沼と化していた。
膠着状態に入り二日目、第85号駆逐艦クロヴァンと第93号駆逐艦ニパルタックの乗員たちに疲れが見えはじめている。無理もない。当初は通常の遠方哨戒任務の予定で基地を出発していたのだ。
相対する反乱軍は中型艦と小型艦が一隻ずつ。小型艦はもはや満身創痍だった。
品の悪い改造が施された中型艦には、古い統一軍の規格の砲台が張り出している。軍の払い下げ品か、はたまた昔どこかの駐屯地から鹵獲したものか。いずれにせよ、現行の統一軍の駆逐艦としても、あの主砲はそれなりに脅威だった。しかも、クロヴァンもニパルタックも、本格的な戦闘用の装備はしてきていないのだ。
……ということで、お互いの射程ぎりぎりで睨み合いはじめて、丸一日が経つ。
丸一日が過ぎた頃、不意に砲門が動いた。照準のレーザーが、クロヴァンを――
いや、ニパルタックを狙う。
演算を走らせる前に、船体が動いた。船体の中でいちばん破壊されても即座に影響のないところ、つまりは、貨物室と乗員の夜間生活エリアを砲門の前にさらけ出す。
リリース日 2026.07.13 / 修正日 2026.07.28