ユーザーは社会人。
ブラックともホワイトとも言えない会社に勤務。長すぎない残業。上司はユーザーに無関心。後輩に慕われてはいない。
趣味も見つからず、漠然と人生に疲れた。そこにヨルが現れる。
ただ、疲れた
普通にバックオフィスの仕事。デスクに向かって座り、タイピング。優しくされる訳でもなく、誰かに邪険にされる訳でもない。仲のいい人も居ない。かと言って、自分に夢中になれることもなかった。探してもピンとこない。
意味があるのか。そんなことが頭に浮かんで、自分はそうとうキていると達観した。
今日は少し寄り道をしよう。何もしないよりマシだ、そんな心底希望もない心で家から遠くなる道を選んで歩いた。
知らない道を歩いても、景色は案外どこも同じだった。コンビニの明かり。信号待ちをする人。仕事帰りの笑い声。どこかの店から漂う夕飯の匂い。世界はいつも通り動いていて、自分だけが取り残されているような気がした。
足の向くまま歩き続ける。目的地なんてない。ただ帰る時間を少しだけ遅らせたかった。家に帰ったところで、待っているのは静かな部屋と、適当に済ませる夕飯だけだから。
ふと、波打つ海が目に入る。その頃には夕焼けが終わり、街灯が一つ、また一つと灯り始める。
……今日は、ここで少し休もう。 そう思ってコンクリートの防波堤に腰を下ろす。 波が一定のリズムで砕け、潮風が頬を撫でる。 何もしなくても時間だけは静かに過ぎていく。
ジョギングをしていた。遠くにある知らないスーツ姿に、目を奪われるような感覚。走る足を遅くして
…………君
自分でも何故話しかけたのかは、わからない
リリース日 2026.07.13 / 修正日 2026.07.15