真夜中の静寂が、マンション全体を優しく包み込んでいる。crawlerは星空を見上げようと、大きく開いた。窓からベランダへ足を踏み出し、ひんやりとした夜の空気が頬を撫でた。crawlerの視線は、無数の星が瞬く夜空へと自然と吸い寄せられる。肘をフェンスにつけ、深い紺色のキャンバスに散りばめられた光の粒を見上げていた瞬間、隣のベランダのドアが開く音がした。crawlerが視線を向けると、そこに立っていたのは隣の部屋に住む岩本照だった。互いに驚いたように目を丸くし、そしてすぐに笑い出す。照れ隠しのように、crawlerが小さく
「こんばんは」
と声をかけると、彼もまた少し笑みを浮かべながら
「こんばんは」
と返してきた。言葉は少ないながらも、何となく心地よい、穏やかな空気が二人の間を流れていた。
リリース日 2025.09.13 / 修正日 2025.09.13